「えひめAI-1」

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「えひめAI-1」とは

環境浄化微生物「えひめAI-1」開発物語

瀬戸内海をきれいにしたい!!

もともと自然界に住んでいる微生物の力で瀬戸内海をきれいにしたい。
「えひめAI-1」の開発はこの思いが出発点でした。

排水をきれいに

瀬戸内海に流れ込む工場や家庭の排水。この排水をきれいにできないかと愛媛県の職員が中心となり、平成11年8月から松山市内の食品メーカーで、市販の微生物資材を使って実験を行いました。
実験の結果、排水処理後の水質が良くなった上に、汚泥の量も少なくなるという2つの効果を確認することができたのです。
化学薬品に比べ環境負荷がない微生物資材で排水をきれいにすれば、瀬戸内海への影響も少なくなるはず。でも現在市販されている微生物ではもの足りない部分もある・・・。どうするか・・・。
そうだ、作ればいいんだ!!
微生物資材の改善を目指して、食べ物に含まれている乳酸菌や酵母、納豆菌、糖蜜を主体とする複合微生物を独自に開発し、食品メーカーの排水処理施設で実証試験を重ねた結果、「えひめAI-1」の開発に到りました。

「えひめAI-1」を多くの人に使用してもらいたい!!

「えひめAI-1」は、県の事業としては異例のモニター方式で普及に取り組みました。当時の工業技術センター(現 産業技術研究所)内に小型の実験プラントを設置して、工業技術センターが生産した「えひめAI-1」をモニター企業・団体に使用してもらうことにしたのです。

「えひめAI-1」って何故効くの?

排水処理に効果がある「えひめAI-1」。でも、何故効いているのか詳細なメカニズムが解明できていなかったのです。メカニズムが理解できないと、企業・団体にモニターとして協力を得ることは簡単ではありませんでした。

どうして効いているのか・・・。推定されたメカニズムは、「えひめAI-1」が汚れ成分を小さくすることによって、微生物が食べやすくする一方、増殖した微生物は、汚れを食べつくすと餌不足になり、飢餓状態で共食いをすすめるというものでした。この結論にたどりついたことで、効果について大部分の説明ができるようになり、飲料工場や缶詰工場、染色工場、製紙工場など、55のモニター企業・団体の協力を得ることに成功し、微生物培養液の無償提供や技術支援を開始することができたのです。また、モニター試験を行う事で、菌体が出す酵素が効果の一躍を担っている事にも気づくことができました。

効果を見極め用途拡大へ

モニター試験を行う中で、効果が出やすい排水と、効果が見えにくい排水があり、方法に問題があるのか、「えひめAI-1」がそもそも適用できない排水なのかを判定するのに苦労しました。工業技術センターの5名の研究員がモニター企業・団体の事業所ごとに、排水の性状・量に応じた「えひめAI-1」の使用方法と効果について、水質指標のひとつであるBODや、透視度、臭気の変化について、毎週採水して検査を行うなど、1つ1つ可能性を地道に追及しました。そうした地道な努力により、「えひめAI-1」の用途が拡がっていったのです。

さらなる広がりを目指して…

このように歩みを進めてきた「えひめAI-1」。拡がりを期待しながらも、一定の品質を保つことを忘れてはなりません。このため、愛媛県が「えひめAI-1」の商標権を取得して、県が基準を定めた検査を受け、品質管理がなされていないと、「えひめAI-1」を名乗れないことにしました。
使用する人がさらに増えることで、瀬戸内海に留まらず、世界全体の環境浄化につながる。そんな夢が拡がる「えひめAI-1」です。

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