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(有)岩城電機商会

改造のこだわりは“カッコよさ”。 毎朝8時過ぎにR33を疾走中!

若城社長が改造で一番こだわったのは、ずばり“カッコよさ”だ。これまでのコンバートEVは、走ることに重点が置かれるため、車内の配線が露出しているなど「いかにも改造車」的なクルマが多い。その点DREAM―7は、見た目は純正車と変わらない完成度を保っている。
コンバートEV DREAM―7

例えば電圧計や電流計はメーターに埋め込み、車内配線はすべて隠している。カーオーディオ装備で、リアシート部分に搭載したバッテリーは、オリジナルのバッテリーカバー付き。そして極めつけはエンブレムだ。「開発メーカーの意気込みが伝わるように、特注で造りました」と誇らしげに語る若城社長。

改造作業で一番手を焼いたのは、モーターマウント。コンバートEVのモーターは、エンジンより小さく、形状も違うので、元のエンジンマウントをそのまま使えない。「モーターマウントは外注できないので、自分たちで造り、取り付けました。車のウェイトバランスなどを考え、最適な位置を割り出すのに10日間ぐらい試行錯誤しましたね」

こうして完成した愛媛県民間初のコンバートEV・DREAM-7。その名称には「みんなの夢を乗せて走るクルマ」という想いが込められている。昨年11月下旬にナンバープレートを無事取得し、普段は若城社長が通勤に使っている。運がよければ朝8時過ぎに天山から森松までの国道33号で、その雄姿が見られる。


今年の目標は、打倒コペン&優勝! そして、県内EV業界のリーダーに!

完成済みのDREAM-7だが、その進化は続いている。若城社長曰く「細かい調整は、日々続けていますし、EVの新しい部品や技術が登場したら、積極的に導入するつもりです」。今年11月のレースまでには、二次電池を鉛電池からリチウムイオン電池に交換するという。「上位のクルマはどこもリチウム電池。鉛電池と比べると性能が2倍以上違います。バッテリーのパワーが上がれば、重量のハンディが小さくなるので、上位進出も十分狙えます」。

先日、「ホットバージョン」(全国版DVDマガジン)でDREAM-7が取り上げられた。レーシングドライバーの土屋圭市氏が電気自動車選びをするという企画で、DREAM-7のほかに、テスラロードスター(米国・テスラモータース)、パイクスピークEV(横浜ゴム)、CR-Z(ホンダ/ハイブリッド)の4台が登場。サーキットで土屋氏がそれぞれのハンドルを握った。

撮影に立ち会った若城社長は、土屋氏から「テスラロードスターなどほかの3台に比べると、走りや性能は確かに劣る。しかし、街の電器屋さんが独学で改造したEVにしては、驚くほど完成度が高いですね」という言葉を掛けてもらった。「EV事業の魅力の一つは、多くの人と出会えること。共同研究を受け入れてくれた愛媛県の方々をはじめ、改造に力を貸してくれた協力会社、レースドライバーとして参加してくれた仲間など、本当に感謝しています」。

今後の抱負を聞いた。「今年はえひめ産業振興財団のファンド事業による助成を受けながら、EVキットの販売を進めます。プロトタイプのEVキットで実績ができたら、来年は汎用性のあるEVキットの開発も始める予定です。将来的には、県内EV業界のリーダー的存在になって、“コンバートEVのことなら岩城電機商会”と言われたいですね」。

その一方でEVの未来を冷静に見据えている。「現在、EVはメーカーが作る市販EVと、我々が手掛けるコンバートEVの2種類。正直、コンバートEVは今後5~6年でかなり普及するとは思いますが、その後は市販EVが主流になると考えています。市販EVの価格が下がってくれば、わざわざエンジン自動車を改造しなくてもいいのですから」。
(有)岩城電機商会 代表取締役  若城 弘之
では、コンバートEVの未来はどうなるのだろうか。「将来、事業の柱として展開していくには、車種を旧車に限定するなどの工夫が必要でしょう。メーカーのエンジン製造が終わり、中古エンジンも手に入らないような旧車には、根強いファンが多くいます。どうしても旧車を走らせたいという人に、コンバートEVを提案するのは有意義だと思います」。

若城社長はさらに続ける。「一つの考え方として、コンバートEVはあくまで“EVの入口”と捉えることも必要です。当社は現在、コンバートEVを手がけることで、EVの情報、知識、技術、人脈などを蓄積しています。自動車産業の主役が、エンジン自動車からEVに替わったとき、蓄積した財産を大いに生かし、“クルマのでんき屋さん”として地域のEVユーザーのお役に立ちたいですね。また、将来的にはクルマに限らず、スマートグリッドのような次世代電力網の構築に貢献できる企業になりたいですね」。大きな夢を載せたDREAM-7の旅は、まだ始まったばかりだ。


DREAM-7主要スペック/

■総改造費:約200万円(車両代+部品代)
■改造期間:実質3カ月
■充電時間:約8時間
■走行距離:40~50㎞(約90分間)
■最高時速:100km/h以上
■車両重量:1360kg(+80㎏)
■車両総重量:1470㎏(-30㎏)
■モーター:DCブラシ
■バッテリー:鉛密閉式
■総電圧:144V
■総電力:7.2kwh
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