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(有)富士タクシー

“生みの親”に聞いたEVタクシーのメリット・デメリット、そして新カテゴリー「EVC」
(有)富士タクシー「i-MiEV」
EVの普及に伴い、電気自動車タクシー(以下、EVタクシー)が全国的に増加している。松山市の(有)富士タクシーでもi-MiEV(三菱自動車・2009年8月導入)1台とリーフ(日産自動車・2011年2月導入)1台を運行しているが、実は軽自動車のEVタクシーを国に認めさせたのは、同社の加藤忠彦社長にほかならない。EVタクシー誕生の経緯やメリットなどについて話を聞いた。


“15年前から電気自動車&自転車の環境性能に着目。この二つにタクシーを結び付けた新事業を展開。

(有)富士タクシーがEVタクシー事業に参入したのは、加藤社長が1998年に出会った「エコ経済革命」(著者:レスター・R・ブラウン)がきっかけだ。この本には「地球環境に一番やさしい人々の輸送手段は、鉄道と自転車である」と書かれていた。加藤社長は「鉄道網が未発達な地方では、将来の移動手段は電気自動車と自転車が核になる」と確信し、この二つとタクシーを結び付ける新たな事業を模索し始める。そこでまず目を付けたのが、タクシーの「自転車搭載サービス」。当時の富士タクシーでは、クルマの屋根にスキー板を載せる要領で自転車を搭載していたが、もっと手軽に搭載できる器具が必要になると考え、独自のアタッチメントの開発に着手。同時に道路交通法などの規制をクリアするために、運輸省(現国土交通省)や警察庁などと交渉する。そして同年10月、自転車搭載用アタッチメント「サイクルラバー」の制作・販売会社を設立し、量産を開始。タクシーの自転車搭載サービスが全国に広がり始める。

(有)富士タクシー 加藤社長

それから10年後の2006年10月、三菱自動車が軽自動車EV「i-MiEV」を発表。世界初の量産型EVは世間の注目を集めたが、車両価格や航続距離の問題などから「タクシーには不向き」というのが一般論だった。しかし加藤社長の発想は違った。「i-MiEVの燃費は1円50銭/㎞で、通常タクシーの1/7程度。燃費の差で利益が出るのは明らか。むしろタクシーをEVにすることで、世の中にEVを普及させることができると思いましたね」。

2008年12月、東京電力の実証実験場を訪れた加藤社長は、自らi-MiEVに試乗する。「軽自動車にしてはパワーがあるし、足周りもしっかりしているので、すぐにタクシーに使えると思いました。お調子者なのでその足で国土交通省に行き、『タクシーにできるいいクルマを見つけましたわ―』と言い残して帰りました(笑)」。

それまで軽自動車によるタクシー運行は認められていなかったが、加藤社長は自転車搭載サービスでの経験を生かし、軽自動車独自のタクシー基準を示すなど国土交通省と交渉。その結果、2009年3月31日に国土交通省から電気自動車に限り、軽自動車をタクシーとして許可する」という通知を本社事務所のFAXで受け取る。言い換えれば、“EVタクシーの生みの親”と言ったところだ。そして同年8月5日の「タクシーの日」にi-MiEVを使ったEVタクシーの運行を開始。加藤社長が15年前に思い描いていた電気自動車と自転車にタクシーを結び付けた新しい事業が現実のものとなる。

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