親族内承継

現経営者の息子・娘など親族に承継させる方法。
社内外の関係者から心情的に受け入れられやすく、準備期間を長くとれる等のメリットがある。 その反面、事業に魅力がなければ後継者候補の親族から拒否されるリスクもある。

会社を継ぐ意志がまったくなかった息子。その心を動かした父親の行動とは?

電化製品の小売業を営んでいた中小同族会社の社長A(70歳)には、後継者候補として大都市圏の大学を卒業し、そのまま同地の同業者に就職した子Bがいた。Bは父親の会社の将来性を悲観しており、現在の勤務先を退職して地元に帰るのではなく、そのまま大都市圏に住み続けることを決めていた。

そろそろ事業承継の話をすべき時期だと感じたAがBに承継を打診したところ、会社を継ぐ意志のなかったBからあっさり断られてしまった。事業の存続をあきらめきれなかったAは、一念発起して後継者が継ぎたくなるような会社にしようと自社の磨き上げに着手した。

これまでは電化製品の小売のみで事業収益性が低かったことから、大型製品の販売から据付工事まで一貫した対応を開始したところ、引き合いが増加。丁寧なアフターフォローが評判となり、今ではこれまでの数倍の売上高や従業員数を誇るまでに至った。

帰省した際に自社の変貌ぶりに驚いたBは、自分が関与することにより事業拡大の可能性が高いことを実感した。こうした経緯からBは地元に帰ってくることを選択し、今では二代目経営者として自社の事業拡大に尽力している。