一本釣りこそ天然もん

 三崎の漁師は誇り高き一本釣り。網を使うと魚は一度にたくさん捕れるが、その魚たちは逃げようともがくうちに無数の打ち身を負ってしまう。いくら生きていようと、たとえ天然といえども、これでは旨くない。そのことがどうしても許せない三崎の漁師は、海からの授かりものである魚たちを傷つけることのないよう、あくまでも一本釣りにこだわり、一尾一尾大切に釣り上げている。

しけた海は好漁の場じゃ

 三崎自慢の伊勢海老。海が荒れると岩場に潜む伊勢海老が波に押されて出てくることから、時化た海が好漁の場となる。海士にとってもしかり。好漁を期するほど深く潜ることになる。彼らは、あえて大きな危険を背負い宝の海へと向かっていく。

朝まずめこそ勝負どきよ

 三崎の漁師たちがよく口にする。「朝まずめ」、「夕まずめ」とは、夜明けと日の出、夕方と黄昏との境目の時間帯を指す。この時間帯には日中、太陽を嫌って深海に沈んでいる動物性プランクトンが、海面近くに浮遊する植物性プランクトンを求めて上がってくるのをねらって幼魚や小魚たちが、そしてそれらを餌とする魚たちが海面近く上がってきて活発に餌をおうようになることから、好漁の潮時となるのだ。

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