　
　今後の経営方針

「質素・倹約」という家訓、「堅実・誠実」という社訓がありますが、それらに「当り前のことを愚直に行う」というスローガンを加えています。今「社長通信」というのを発行していますが、社長の考え方を皆に愚直に伝えていきたいと思っています。
　会社の成長はイノベイションとマーケティングの両面にあります。イノベイションについては、当社は、単なる技術革新ということではなく、時代の流れに即した社風、仕組み商品などを創っていくことと考えています。

　マーケティングは①新しい物、②新しい事、③新しい販路の3点で検討しなければなりません。物とは、新商品、清新なパッケージ、健康的にまた栄養学的に検討された食材など。
　事とは、会社内外における費用対効果が吟味されたプロモーション、そうめんを夏だけではなく秋冬にも食して欲しい。そのための例えば新しいレシピの紹介なども必要になってきます。販路とは新しい市場の開拓です。児童の給食や老人介護関係への食材の提供、従来の中元やお歳暮の贈答文化と異なる例えば個人的な記念日などの贈答への参入なども考えていくべきです。
　これらの事は個々の企業が取り組むことですが、最終的には業界全体の問題として取り上げなくてはならないと思っています。

（お話をお伺いした宮本社長）

　取材者のコメント

　創業以来375年の間「そうめん」という日本の食文化を守り続けていること自体素晴らしいことであるのに、今なお新しい方向性を求めて進化を続けられている姿勢に愜動を覚えます。「当り前のことを愚直に行う」ことは今の日本人に一番必要なことではないでしょうか。この精神が会社の繁栄に寄与されること思います。
御社の益々のご発展を祈念いたします。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（特別研究員　橋本　修二）

会社名	五色そうめん株式会社森川
代表者	代表取締役　　森川　正史
代表者	社長執行役員　宮本　隆司
所在地	愛媛県東温市南方２２８３－１
電話	０８９－966-5511
ＦＡＸ	０８９－966-5588
ＨＰ	http://www.goshiki-soumen.co.jp/

財団法人えひめ産業振興財団
〒791-1101 愛媛県松山市久米窪田町337-1
TEL 089-960-1100 FAX 089-960-1105
http://www.ehime-iinet.or.jp

　会社の沿革

　寛永12年（1635年）、初代長門屋市兵衛が松山藩主初代松平定行の桑名からの国替えに随行して移住、以後素麵商を始めました。当然桑名での前史があると思われますが定かでありません。その後永々と375年の歴史を刻んできました。
　享保7年（1722年）6月、八代目長門屋市左衛門が、松山藩の参勤交代の献上品として五色そうめんを製造しました。朝廷でも「遊糸賞翫美麗五色は唐糸の如く美し」と賞賛されたといわれています。また江戸時代後期より唄い継がれている「伊予節」にも「音に名高き五色そうめん」と唄われているほど、有名な松山名物です。その後明治・大正・昭和と歴史を重ね、昭和32年（1957年）有限会社設立。昭和46年（1971年）株式会社へ組織変更し、現在に至っています。
　商品ラインナップは多彩で、伝統の手延べ五色そうめんをはじめ、梅そうめん、伊予柑そうめん、うどん、そばなど幅
広く麺類を扱っています。

　ＩＴの活用と今後の見通し
　
①現在、生産管理、在庫管理、販売・営業管理、財務管理等、ITによる管理システムは揃っていて活用中です。要はその実績を皆が見えるようにすること、即ち情報の共有化が必要です。自分の成果が各自わかって初めて参加意識が芽生えるのです。月次の報告書は公表しています。今後は、そういった分析も出来るわが社に即したソフトを開発することも必要になってきています。
②ネット販売のシステムを構築中です。現在のホームページからでも製品の購入は出来ますが、代金支払いの方法を含めて、より顧客の立場に立ったシステムでなければならないと思っています。他のウエッブサイトへの出店も検討課題です。
　

（店舗外観）

（坂の上の雲五色の糸そうめん）