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株式会社 アテックス
〜 徹底したペーパーレスへの取組 〜
品質ISO9001、環境ISO14001の認証を取得、顧客満足度の向上や地球環境への貢献を念頭に置いた経営を貫かれるアテックス。有用な人材育成への貢献として愛媛県在住の学生・生徒への奨学金給付活動もされるなど、社外からの評価も高い。今回はIT活用を中心に、同社の取組みについて村田裕司社長、森川靖主査にお伺いした。
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本社の外観
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企業沿革
昭和9年に村田栄一衣山鋳造所として創立しスタートする。昭和16年に有限会社四国製作所設立海軍指定工場となり、昭和21年からは農業機械製造業に転換した。
その後、3工場と1つの部品センターを設立、国内4拠点の営業所を開設し、事業規模の拡大を図っている。また、平成19年には中国江蘇省江陰市に江陰四国机械有限公司を設立、中国市場への進出を果たされている。平成6年に、現在の「アテックス」への社名変更を行っている。
自社商品開発にも早くから取組み、昭和63年の電動車いす”マイピア”から自動積込式堆肥散布車 “マキタロウ”、 斜面草刈機 “タスカル”、乗用草刈機 “刈馬王”と開発を進め、現在は、電動アシストリフタ ”アシリ”,電動アシストカート “アシカ”等の物流機械の開発・販売に注力している。
(物流機械 電動アシストリフト)
ITへの取組
IT化への取組みは以前から実施していたが、本格的にはWindows(OS)が安定化し始めた平成12年(2000年)からとなる。まずは営業員に1台ずつのノートパソコンを持たせ、顧客情報を中心とした営業報告を毎日上げるようにした。その後、ペーパーレス化とリアルタイムでの情報共有を図るため、全社規模での業務へのIT活用を推進している。
営業、製造、品質管理の関連部署が協力した適切・迅速なクレーム処理管理、品質向上と原価率低減のための生産管理、ウェブサイト上では、取引き業者への発注システムや、顧客へのパーツリスト情報公開といった各システムの連動によるIT活用を進めている。
しかし、現場、現物、現実 という3現主義を業務の基本ととらえ、情報システムがそれをカバーするというのが会社としてのIT化の基本方針となっている。
(VPNを活用した社内情報管理システム)
今後の経営方針
これまで同社を牽引してきた農業機械では、米関連機械の依存度を引き下げ、その他の野菜・果樹関連機械の開発を進めることとしている。
また、電動車いすでは販売シェアを高め、業界トップ企業としての地位固めを行う考えである。さらに、第3の柱となる新分野の事業が前述した物流分野の関連機械であり、物流効率化の動きに合わせた需要拡大を期待している。
IT化での課題は、より深層化を図る新たな生産管理システムの構築であり、関連部署からのタイムラグの生じない生産各部署からの必要情報の吸い上げ、在庫のムダ取りといった機能性を高めるため、現在その導入を進めている。
取材者のコメント
愛媛県の製造業の多くは、下請け構造の中で親企業の景況に左右される経営の不安定化が問題視されてきた。そのような中、同社は早くから自社商品に開発を進め、現在では多くのオリジナル商品を販売されている。
また、顧客最優先の経営方針は明確であり、社長のリーダーシップのもと、それをサポートするIT活用が愛媛県内ではトップレベルで進められていることに敬意を表したい。
今後の経営方針のなかでは触れなかったが、海外戦略に関しては、中国の自社工場以外に、韓国、台湾をはじめとするアジアの新興諸国との直接取引きを強化し、海外での販売を拡大していきたいとのことで、同社の今後ますますのご発展をご祈念申し上げます。
(特別研究員 上田保)
企業名
株式会社アテックス
代表取締役
村田 裕司
所在地
愛媛県松山市衣山1丁目2−5
電話
089−924−7161
FAX
089−925−0711
事業
電動車いす・動力運搬車、農業関連機械・省力化機械の製造販売
資本金
6,080万円
URL
http://www.atexnet.co.jp/
E-mail
atexhome@atexnet.co.jp
(
お話をお伺した村田社長)
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