2008年2月号

情報えひめ

あいあいえひめ
(財)えひめ産業振興財団ホームページ

「情報えひめ(愛媛の企業・商業情報)」は毎月
県内のHOTな企業情報や商業情報をお届けします。

 

愛媛の商業「商売拝見」

 

かやまち商店街IT活用編
独自市場で書店ビジネスを展開
延宝年間(1673〜81年)の「松山城下町図」のなかに、萱(かや)・紺屋(こうや)・樽屋(たるや)・利屋(とぎや)の各町名があった。幕末の頃にはすべて萱町の町名に統合され、南から北へ1〜7丁目に分けられた。その頃の町の長さは約1,000m。そして明治期から大正期はタンスの町といわれ、夏の祭礼日には、子供相撲などが行われにぎわっていた。戦後は生鮮食料品店などが集まった「市民の台所」と呼ばれるようになった。
かやまち商店街

 

 

「かやまち商店街」の現況
 今回はかやまち商店街振興会の上田修司会長から、商店街のITの取組みなどについてお話をお伺いした。
 全国的に商店街は多くの問題を抱えている。大型店の影響。経営者の高齢化の上に後継者がいない為の廃業。従って空き店舗の増加。イベント効果の希薄化。などなど状態は深刻である。「かやまち商店街」も同様な状態であり、店舗数は5年前に比べて10数軒減った。かつて日曜祭日は、椿祭り程人出があったとのことだが、前述の理由により来客数も減少している。
 イベントも、毎週木曜日「木曜びっくり市場」、6月30日には阿沼美(あぬみ)神社の輪越しの日に「輪越し夜市」、7月24日には天神様のお祭に合わせて「天神祭り夜市」、それに「歳末大売出し」と年4回行っているが、中々集客に結びつかないのが現状である。
輪越し夜市の様子

 

 

「えひめの商店街」に「かやまち商店街」のホームページを作成
 平成16年度、「かやまち商店街」は公益財団法人えひめ産業振興財団産業情報センターの商店街支援事業の支援対象となり、商店街の活性化の一策として、「愛媛の商店街」にホームページ(HP)を作成した。当初35店舗で出発したが、その後何軒かの出入りがある。
 HPでは、先ず商店街の案内があり、地図や業種で検索して各個店の紹介欄に入っていく。個店ではお店の写真、取扱商品、おすすめ品の紹介欄があり、それぞれ各自が更新出来るようになっている。各個店ではそれぞれITの習熟度が異なることから、その為の講習会も何回か行ったが、細めに更新するお店、初めのままのお店と様々である。
 この最近は、アクセス数、また利用されたお客様よりの「口コミ情報」も段々増えてきている。
かやまち商店街

 

 

今後のITの課題
 上田会長のお話によれば、

○商店街とお客様との双方向のコミュニケーションが重要である。例えば、アンケートにメールアドレスを記入していただいたお客様には抽選会に参加してもらうとか、HPを見られたお客様には割引をするなどサービスをするなどしてお客様との関連を強めたい。

○メールアドレスを入手できたら、メールマガジンやブログなどこちらから情報が発信できる。

○今後は携帯電話のHPも充実していく必要がある。各個店もパソコン・携帯電話共にHPを作成し、QRコードを取得して、商店街のHPからそれぞれのHPにいくことが出来るようにしたい。

○商店街が高齢化するだけではなく、お客様も高齢化してくる。ITを活用して情報を発信しつつ、若い人たちがやってくる町にしたい。空き店舗に新しいお客様のニーズに合った若者向きのお店が増えたら町が活性化してくると思う。

とのことである。

 

 

取材者の所見
 商店街の活性化の一つとしてITの取組みがある。商店街全体が取組むことによって、情報の集約化と共有化が図られる。と同時に情報の発信が可能になり、また各店では、パソコンを使用することによってその経営状態の改善を図ることが出来るようになる。他の商店街との情報交換や共同行動もスムーズになるであろう。最終的には商店街全体でIT通販も実現することが出来る。
 「かやまち商店街」もこのITへの取組みが起爆剤となって、ますます発展されることを祈念いたします。

(特別研究員 橋本 修二)

 

 

- 商店街の概要 -
名称 かやまち商店街振興会
所在地 松山市萱町2〜3丁目
会長 上田 修司
HP http://town.ehime-iinet.or.jp/kayamachi/
上田修司会長
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