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協同組合松山卸商センター
 
〜 共同の力で飛躍する 〜
 
 松山市の城北地域の北部環状線沿いに卸売業約70社を結集した一大卸売団地がある。「松山卸商センター」である。設立されてから40年、厳しい経済環境を乗り越えつつ、卸商団地全体の機能向上と活性化対策としての“街づくり”の推進に取り組んでいる。
 今回は当センターにお伺いして、いろいろお話をお伺いした。
 

(松山卸商センター全景)

 

 

卸商センターの沿革と現状
 協同組合松山卸商センターは、昭和44年(1969年)5月に松山市の流通機構の充実と地域開発を目的として設立され、3ヵ年計画で市内城北地域にて昭和47年(1952)集団化事業の展開を開始した。
 設立当初は31社であったが、その後隣接用地を買収したり、或いは近くの溜池の払い下げを受けたりして用地を拡大し、現在の参加企業は67社となっている。その後昭和49年には、町名を「問屋町」と変更、伊予銀行問屋町支店や松山問屋町郵便局も開設され、名実ともに県都松山市の流通機構の要として活躍を続けている。
 参加企業を業種別にみれば、食品・飲料 14社、日用品・薬品 3社、紙・印刷 2社、資材・部品 6社、繊維製品 7社、機械器具 10社、建築資材 9社、運送 3社、不動産 4社、サービス 4社、銀行・郵便局 2社、その他 3社 となっている。

 


 

共同事業・イベント
 
  松山卸商センターでは、共同で各種事業・イベントを行い地域の活性化に取り組んでいる。共同事業としては、共同倉庫・共同駐車場・理髪室を設置し、また問屋町公園を整備して参加企業の便宜を図り、また共同会館の大小の会議室を利用してもらっている。また、「松山東交通安全協会卸商センター支部」を結成して安全運転の意識を高め、「松山卸商センター自衛防火隊」を結成して防災訓練なども行っている。平成20年には敷地内の下水道が完備されて供用が開始された。
 イベントとしては、以前には体育大会やソフトボール大会、卸団地まつりなど行ってきたが、昨年度は、6月と10月にゴルフ大会、7月に「U.S.J+大阪満喫ツアー」、8月に坊ちゃん劇場観劇ツアー、11月にボーリング大会、2月にスキー&スノーボードツアーを挙行し、参加企業の従業員間の親睦を図った。
 また、定期健康診断・胃がん検診とインフルエンザ予防接種も行った。2月には健康促進講座も実施し各企業の従業員の健康管理に努めている。
 また、センターでは、組合機関紙「松山卸商センターニュース」を発行している。現在すでに86号に至っている。
(共同会館)

(共同倉庫)

 

 

ITへの取り組みと今後の課題
 協同組合松山卸商センターはホームページを開設している。そこではセンターの紹介のみならず、参加企業の紹介も行っている。そのうち判明しているだけで29社がホームページを開設しているようだ。各社のHPは、それぞれの会社名にリンクされている。従って再度各企業のHPアドレスを登録してもらい、未開設の企業には、その要望があればセンターでHP作成の講座を開いたり、作成業者の斡旋をするなどの取り組みを行いたい。現在ITに関する取り組みは殆ど行われていない。しかしセンターと参加企業間のネットワークの構築やネット販売など、今後参加企業の要望や必要性に応じて、順次センターとして取り組んで行くことになるであろう。
 卸売業として「在庫管理システム」や「受発注システム」の強化は必須である。そのための器としてのインテリジェント機能の充実も重要な検討課題となるだろう。


(共同会館内大会議室) (共同駐車場)



 

松山卸商センターの今後の課題
 今卸売業を取り巻く環境は非常に厳しい。円高デフレの長期化、失業率の高止まり、など、厳しい雇用・所得環境が続く中、景気回復の道のりは厳しさを増してきている。協同組合松山卸商センターが発足してから40年その中には撤退した企業、倒産した企業もあり、新規の参入した企業もあった。このような厳しい経営環境の中にも、参加企業の結集のもと、一層の活性化を図るべく種々の事業を行っているのである。
 今後とも参加企業全員が一致団結することによって生まれるスケールメリットを生かして、自助努力による創意工夫を重ね卸団地全体の機能向上と活性化対策として“街づくり”の推進を図っていきたい。


 

取材者の意見
  異業種の卸売業の集合体であるから、いろいろな問題が提起されています。参加企業間の業種による格差、経営規模による格差、地方卸売業と大手卸売業との格差、経営者の世代間格差などであります。また団地内には正組合員と大手企業の支店などの準組合員で構成されているので、組合の活動に対する多少の温度差も否定できません。しかしながら愛媛県内唯一の卸団地としての使命と役割を認識しつつ、また先進地域の経験を学びつつ、厳しい経済環境や団地内の格差の問題を乗り越えて、松山卸商センターがますます発展していくことを期待しています。今後のご繁栄をお祈りいたします。
                                          
                                        (特別研究員 橋本 修二)

 


 

名称 協同組合松山卸商センター
代表者  理事長 河野 嘉宏
所在地 愛媛県松山市問屋町4番23号
電話 089−922−2111
FAX 089−922−2117
URL http://www.matsuyama-oroshi.jp/

(ボーリング大会の様子)
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